①鬼写真②

今日は節分の日。

『鬼は外ぉ~!福は内ぃ~!』
家族団欒で父親と娘が仲良く豆を投げ合っている光景が見えた。
私は付近にある駅前のコイデカメラにて、イベントが開催されているのを知っていた。

それは節分の日記念写真。
幼児が顔になんとも可愛いフェイスペイントをしている見本写真が飾られていた。

『なんかいいな、俺もやってみたい!』

私はそう心の中で呟き、駅まで自転車を使って急いだ。
途中で何やら見たことある人達が人々に声を掛けていた。

『世界へ羽ばたく医者たち』
私はそこにいる人に逆に、自ら声を掛けた。

私『ここで何してるんですか~?』

人『あ、今ボランティアの募金を募っているんですよ』

私『なるほど!これって何かの宗教とかビジネス団体なんですか?』

人『いいえ、まぁ世の中には色々な考えがある人達もいますけど私達は会社の広告料を通して働いている者ですよ(ニコッ)』

私『そうなんですか~^o^とりあえず募金として1000円突っ込んどきますよ』

人『ありがとうございます!』

私は用事を済ませたかったのでとりあえず1000円だけ突っ込みコイデカメラへと急いだ。

『いらっしゃいませ~』
そこには見慣れたような優しい笑顔の店員さんが居た。

私『節分の日のイベントをやりたいんですけど』

『はい、ではこちらへどうぞ』
私は奥にある部屋まで案内された。
そこに水彩絵の具と綺麗なお嬢さんが座っていた。

お嬢『はーい!じゃあ、今から顔に絵の具を塗りますので目をつぶって下さいね~^o^』

私『えっ?目をつぶるんですか?何か危ないですよぉ~!』

お嬢『大丈夫!大丈夫ですって!』

・・・

私は目を瞑りながら顔に絵を書いてもらった。

『危ないよぉ~!』

『大丈夫!大丈夫だって!』

私は目をつぶったままだが、横からそのような声が聞こえてきた。
目をつぶっていたので、果たして何に対してそんな言葉を投げかけているのかは知らなかった。

私は目を開いた。

そこは新宿駅付近にあるモスバーガー。私は注文を終え、席に座っていた。
目の前にあるテーブルには、モス野菜バーガーとポテト、メロンジュースが置かれている。

横を見ると、隣の席で男女のカップルが何やらこちらを見つめていた。

私には理解が出来なかった。
何の理由があって二人から見つめられないといけないのかと。

3秒もするとそれは無くなり、横でいつも通りのような会話が始まった。
私は身体がひどく疲れかけていた為、壁に身体を預け、グッタリとしていた。

『いらっしゃいませ!』
モスバーガーの店員が声を上げた。

注文台には3、4人と続々と客が増え、何か無意識に店員に対する圧力を感じた。
私は何か急がされてるのを感じた。

『しょうがない。』

そう思いながらも、さっさと食事を済ませ、おぼんを返却カウンターへ戻した。
途中、トイレに行きたくなり私はトイレへと急いだ。

チョロチョロ・・・。

軽い小便を済ませ、いつも通りに手を洗おうとした時だ。
私はその時、とんでもない事に気が付いた。

『えっ!?あっ!』

なんと鏡を見てみると、私の顔面には見たことも無いような何とも可愛くも滑稽な鬼のペイントが施されていた。

『えっ?なんでこんなことに?』

私は戸惑いを感じながらもそれを覚えていた。
しかし私は次第に、何かを企むかの如くシメシメと感じた。

ニヤニヤ。

『これで何かを仕出かしてやる!』
私はそう思い、ポケットにあったiPhoneで鏡に映った顔を撮影した。

カシャッ!

①節分の日

私は顔も洗わずそのまま、トイレから飛び出し、モスバーガーを後にした。

その間、同様に席にいた客に見られながらも。
そして、ふと席にどこかで見たことある白人男性が座っていたのを思い出した。

厚切りジェイソン『いいか!お前ら!押すな、押すなよ!絶対にいいね押すなよ!』

『日本の漢字って難しぃねー!』