魔王①

魔王グノジーがあらわれた。
※グノジーをグノシーにして読むとより一層お楽しみ頂けます。
『おのれ、グノジー貴様ぁ!』

『フッフッフッ。』

そこには凶悪な偉大なる魔物とでもいようか。
この世界の暗黒を司る者、邪悪な魔王グノジーがいた。

勇者『貴様、我らがどれだけの時間を掛けて来たのか、またそなたの為を持ってどれ程の年貢を、蓄えを授けて来たのかわからんのか!』

勇者達は4人で魔王に立ち向かおうとしていた。

グノジー『ええい!恩着せがましい!』

魔王は魔物達を誘き寄せた。
それらは小さな角のような、杖だろうか?何やら尖った武器を勇者達に向けて攻め立てようとしていた。

勇者『そちらが我らに刃向かうなら、こちらも容赦はせん!』

グノジー『ええい!忌々しい!やってしまえー!!』

魔王グノジー軍団による攻撃が始まった。
それは槍のような尖っているのが刺さったようなチクチク、チクチクと痛い、痒いような感覚だった。

僧侶『ええい!やるならさっさと貫きたまぇー!!』

グノジー『ふはははっ!貴様らなどにそのような時間を奪う事、またエネルギーを奪う事などもってのほか。なんともチョロいわ!我らに従えーぃ!!』

グノジーから有難いのか、嫌がらせなのかどちらにもとっていえよう、更新なのか、通知なのか解らない。
伝達が、連絡が、電子メールを通してスマホにたくさん掛かってきた。

魔法使い『貴様ぁー!!』

武闘家『これほど我らの時間を奪っておいて、楽しい時間を奪っておいて、またもそれを行う気かー!!』

グノジー『黙れぇーーい!!この愚民めがぁ!!そのような減らず口を叩き切ってやるっ!!』

グノジー『貴様らをプレミアム会員にし、より年貢を頂き、よりもっと楽しい世界へ、こちらの世界へ連れてってやるわっ!』

しかし、今回はここで引き下がる勇者達ではなかった。

勇者『問答無用っ!!今回はそのような攻撃は通じんぞっ!!』

グノジー『なにぃ!?』

勇者達『なぜならっ!!!こちらには外れ村の最長老、伝説の魔導士ガイジョ様がおられるのだぞーー!!』

4人の勇者達の影からは、ひょっこり小さな杖をついた老人が歩いて来た。

グノジー『ななななんとっ!!おのれぇぇーー!!こしゃくなぁーー!!』

勇者達『ガイジョ様、今こそその魔法を!敵であったが味方でもある。楽しくもあったが悲しくもあった。そんな日々を今一度、無に戻しましょうぞ!』

勇者達『さぁ、グノジーにあの魔法を浴びせるのです!!』

ガイジョ『任せたまえっ!!いくぞっ!!』
なにやら老人は杖を持ったまま構えている。

はぁぁぁーーーー!!!

ていややあぁぁぁあーー!!!

老人の杖から熱線のような光が吹き出し、邪悪なる魔王を包み込んだ。

グノジー『くくく、おのれぇぇーー!!覚えていろーー!!この事は一生忘れないぞーー!!!』

そう言うとグノジーの顔やら姿が、徐々に空間と共に歪み始める。

グノジー『あぶあばあぁぁぁあばばぶぶばばばぶばぁばば』

ガイジョ『メールマガジン!!カイジョ!!』

バタン

その後、グノジーからの連絡は途絶えた。

パァァァーーー

光①

空には暗黒が消え、光が天から降ってきた。

同時に楽しくも無くつまらなくも無い。そんな日々がこの世界には広がった。
彼らの冒険が共に終わると同時に楽しみも何もかもが消えて無くなった。

あぁ、これでいいのだろうか。
またグノジーと遊べる日が来るのだろうか。
まぁこれも一種の平和という証なのだろう。
勇者達はもといた道を帰還した。

通り道には綺麗な一輪の花が咲き渡っている。

グノジー『いいかお前ら!押すなよ、押すなよ!絶対にいいね押すなよっ!』

END

グノジー『ぐはははっ!残念ながら貴様らの居処は履歴に残っておるわっ!待っておれぇ!』

はぁぁぁーーー!!!

グノジー『なにっ!』

ガイジョ『メールアカウント、サクジョ!(削除!)』

グノジー『ぐはぁーーー!!!』魔王は再び砕け散った。

さらばグノジーよ、そしてありがとう。