キン、コン、カン、コーン!
休憩の合図だった。
どうやら次は体育の授業のようだ。
一足先に着替えが終わった一人の少年が飼育されている金魚鉢に目
『金魚って可愛いよな〜!』
『何でこんなに綺麗なんだろう』
少年は一人、金魚鉢を眺めながらに呟いた。
『なんだよ急にどうしたんだよ?』
彼もまた興味深げに金魚鉢を覗きこんだ。
『うわ、ホントにキレイだわ〜!人魚みたい!』
すると同じように男達がそこには集まり皆んなこぞって、
『あいつらアホだよ!あんな事言っといて、
そう、
男達はそんな世界を現実であるが、夢のように覗き見た。
★
キン、コン、カン、コーン!
『ふぁ〜!よく寝た!』
ここは高校である。
その中には未だ女性への執着心を抑えきれずにワザと女性が多い、
なぜなら商業高校は男女比が3:7と、クラスには男子より2,3倍近い女子生徒がいた。
ここへ来れば自分はモテるんだ!絶対に青春を謳歌するんだ!
キン、コン、カン、コーン!
『ふぁ〜、よく寝た』
休憩の合図だった。男子生徒の一人、
『あれっ?』
すると拓也は教室の異変に気付いた。
『え?・・・ええ?』
ボンヤリしたまま目をこすり開くと、
なんとそこには、クラスの女子全員が下着やら、
『えっ?』
先程まで夢の世界で観ていた金魚鉢がそこにはなく、
ここは天国か、、、
しかし、その願いは崩される。
『なに?』『見ないでよ!』
『着替えてるんだから早くどっか行って!』
男勝りな女生徒に圧倒され、
『やべっ!恥ずかしっ!』
拓也は女の様に恥ずかしがり、彼はすぐその場を離れた。
こうして、夢が瞬く間に叶った。
でも、
現実ってこんなもんよね〜!
女子達『いいか、お前ら!見るなよ、観るなよ!
拓也『やっぱり金魚鉢ないとダメか~』