一体、俺は何をやっているんだ・・・。

その時私は車で、営業車内で業務を行っていた。
大事な取引先への書類、急いで連絡せねはならない電話。
やる事が多くなって、頭がパニック状態だった。

このままではマズイ。

私は一旦、下り坂の途中にある自販機に車を止め、ジュースを飲んで一息つこうとした。

ガシャン。

カポッ。

ゴクッゴクッ!

口の中でシュワシュワと広がる炭酸。
パチパチと弾けていく感触を味わいながら、共に喉へと流れる爽快感を楽しんだ。

『っいっけねっ!』

私は再び、運転席へと戻り、坂のある歩道を目の前に慌てふためいた。

そして何故だかおもむろにサイドブレーキを一旦強め、ギアをパーキングにして、エンジンを切った。

『ジュースを飲みながらでも、仕事のことまで考えてしまうなんて・・・』

「シーン」とした車内で私は再び気持ちを落ち着かせようと、カバンにあったiPodを取り出しイヤホンを接続した。

両耳にイヤホンを付け、好きな音楽を聴き私は心を落ち着かせることにした。
すると、焦ってばかりの心が落ち着きを取り戻し、また活気に溢れた。

体も心もノリノリになってきたところでふとある興味が湧いている事に気付く。

(もしこの坂道でエンジンをかけないまま、サイドブレーキを外したらどうなるんだろう・・・)

私は正直、ドキドキした。
というよりやりたくて仕方ない衝動に駆られた。

果たして、一体どうなるんだろう?

私は意を決して、サイドブレーキを外した。

すると、

徐々に重力に従って坂道をゆっくり、ゆっくりと車は移動していった。

『うん、うん。いいねー^o^』

私は楽しかった。

『じゃそろそろいいかな』

私は満足した気分でブレーキペダルを踏んだ。

キコキコキコ。

『あれっ?効かない・・・』
ブレーキを何度も押しても一向に止まる気配はない。

『じゃあエンジン掛けるか。』

ガチャガチャガチャ!

『あれっ!エンジンがかからないっ!』
次第に坂道を加速していく車と同時に、再び焦りが追いつき始めてきた。

『ヤバイ!このままじゃ信号にまで飛び出すっ!!』
タイヤがきしむ足音、振動が次第に大きくなり、窓に映る景色の移動も速くなっていく。

『ここままじゃ、どうしようもない!よしっ!サイドブレーキだっ!』
私はすぐさま左手でサイドブレーキを掴み、ゆっくりと引き絞った。

ギギギギッ!
フロントガラスに映る情景の揺れが収まりつつも、さらに握力を強めた。

ギギッ。

動いた車は一瞬、前のめりになり、やがて車は止まった。

『はぁ。。。なんとか生き延びた。。。』

私は額にとんでもない量の汗と、焦りを抱えていた。

そんな時、

たまたま聴いていたiPodからRadioheadの超有名曲、『creep』が流れていた。

『What the hell am I doing here…』
(一体、俺は何をやっているんだ・・・。)

これを、、、人は『クリープ現象』と呼んだ。

Radiohead『いいか、お前ら!押すなよ押すなよ!絶対にいいね押すなよ!』